学童保育での子どもたちの生活 |
「ただいま!」と帰る 学童保育の子どもたちは「ただいま!」と元気よく帰ってきます。早速、学童保育や児童館で楽しみのある子どもはその楽しみに飛びつきます。また、学校であったことや前日家であった楽しいことなど職員に話すことから学童保育の生活が始まる子どもたちもたくさんいます。たまに学校や途中で怪我をした子、具合の悪い子、帰るなり玄関で「くたびれた!」とランドセルを投げ出し、寝転んでしまう子などもいます。 本当に学童保育は家庭の代わりです。 「お帰んなさい!!」と言ってあげる職員は今日一日学童保育質での親代わりであり、子どもたちみんなの生活のコーディネーターです。 ランドセルをロッカーに入れて連絡帳を出して、思い思いに遊び、生活をはじめます。大田区の学童保育は「学童保育室」と呼ばれています。 |
|
![]() |
子どもたちの生活![]() |
お楽しみのボール遊びなど、集団遊びに参加する子、いつもの仲間で“ごっこ遊び”をはじめる子、けん玉やこまに取り組む子、一輪車に取り組む子、工作やぬり絵をする子、パソコンゲームや漫画読みをはじめる子など、能動的に遊びに取り組む子どもたちの姿はいろいろ見られます。学童保育では何の遊びをはじめるか、何の遊びに参加するかは自由です。 一方でボール遊びの様子を見ているが、(怖かったり、自身がなく)入ろうとしない子、一人でずっと漫画読みを続けている子、遊ぶ仲間がいなかったり、仲間はずれにされて一人でなんとなく遊んでいる子たちもいます。 |
また、畳の上でしばらくごろごろしている子、早速仲間を取り合って喧嘩をしたり、泣いたりする子もいます。職員に甘える子どももいます。お互い誘い合って宿題をやる子どもたちもいます。宿題をやっている最中に遊びの誘いがかかるとすぐ乗ってしまう子もいます。 学童保育での子どもたちの生活は遊びと「生活」が一体になったものです。 |
子どもたちは自信かなくボール遊びには入れなくても、いろいろな体験を積み重ね自信がついて行く中で入る子もいます。3年になり、急に興味がでてきて参加するようになる子もいます。漫画読みに夢中になっていてもよいと思います。目が悪くならないように気を付けること、漫画だけの生活でなく他の生活・遊びにも参加できれば良いと思います。畳でごろごろしているのは身体を休めているのでしょう。 |
![]() |
子どもの成長は一直線ではありません。一人一人の子どもの状況に応じた援助、子ども同士の関わりをコーディネイト、1年とか3年とかの見通しをもって育んでいくことだと思います。職員の役割は重要です。 |
![]() |
児童館の中の学童保育室![]() |
大田区には51の児童館があり、その全部で学童保育が運営されています。そのため学童保育室の子どもたち同士だけでなく、児童館に遊びに来る子どもたち(「一般利用児」といわれています。以後「一般児」と記述)との交流もあります。遊び仲間は児童館の中でも比較的学童保育児同士遊ぶことが多いですが、学年が上がることによって「一般児」と遊ぶことも多くなります。遊びによっては一般児の高学年や中学生とも一緒に遊ぶこともあります。特に集団遊びは「一般児」の子どもたちだけでは成り立たない日もあり、学童保育の子どもたちが参加してできるという日もあります。学童保育の子どもたちにとっても高学年の一般児と遊ぶことができるので、お互いに地域の子どもたちの交流として意義あるものです。 |
しかし、児童館の中では「みんなの交流」が目的です。個々の遊びは自由ですが、みんなで遊ぶことや行事は来館をしている子どもたちみんなが一緒です。学童保育児だけで遊ぶ機会はほとんどありません。これでは学童保育の子どもたちが相談し合って遊びを工夫したり、みんなで遊ぶことの苦手な子どもの遊びへのきっかけづくりなどができません。子どもたちが遊びや行事を通じて学童保育での自身の存在感を感じていくことなどできませんし、「学童保育の魅力」も実感することができません。 生活が一般利用児と同じなら、一般利用児と同じようにおやつを持って好きな時間に児童館に遊びに行き、面白くなかったら、家でゲームをしたり、他に遊びに行くほうが「魅力的」です。事実親が会社を休んでいる時はもちろん、働いている場合でも「今日は一般で」という連絡が多くなっています。 親の就労によって放課後児童館(学童保育)で生活しなければならない学童保育の子どもたちの「児童館(学童保育)の魅力」と「一般利用児」の「児童館の魅力」と当然違います。このことを前提とした運営が、児童館の中の学童保育に求められます。 |
![]() |
おやつ |
学童保育の子どもたちはおやつを食べます。一日80円ぐらいが目安です。パンやお菓子、果物が中心です。O-157のあと手作りおやつが減っています。学童保育児全員が一緒に集まる唯一の楽しい時間です。いつも遊んでいる子とはちがう子と隣同士になったりします。おやつを子どもたちが準備したり、集まってこない子を3年生が呼びに行ったり、生活的な活動があります。しかし、一般児と同じ様に駄菓子屋さんのお菓子が食べたくて、「今日は一般児」という時もある子もいます。3年生は授業で遅くなり、みんなと一緒に食べられない日もあります。 |
![]() |
行 事 学童保育独自の行事がまったくないところ、月1回の誕生日会ぐらいのところ、誕生会のほか年何回かの館外保育、年1〜2回のお楽しみ会などの行事のあるところもあります。日常の活動を含めて、各学童保育室の運営がまちまちなのは地域性もありますが、職員集団によって考え方がいろいろあるからです。また、児童館内の学童保育では児童館行事に参加することが前提のようになっているので、独自行事がまったくない、あるいは少ない傾向にあります。 児童館では大きな行事は年1〜2回、日常的な行事は月に3〜6回あります。学童保育児も積極的に参加し、楽しく過ごしている子どもたちがたくさんいます。また、大きな行事の子どもスタッフとして参加し、高学年の子どもたちと一緒に活動する機会もあります。 |
![]() |
帰りの時間
学童保育の終了時間は午後5時です。学童保育の子どもたちは午後4時40分か45分くらいに帰りの準備のため早く集まります。学童保育室から落ち着いて帰れるように「帰りの時間」をとってみんなで楽しめる簡単なゲームをやったり、子どもたちが紙芝居を読んだりします。それも終わったら、いよいよ帰宅です。 |
学校休業日![]() |
学校休業日も日曜日・祝日(5月5日こどもの日は開館)・年末年始(12月29日〜1月3日)以外、全部学童保育室は運営されています。土曜日、春・夏・冬休み、開校記念日10月1日都民の日、振り替え休業日です。 子どもたちは、学校休業日はお弁当を持って「おはよう!」といって入ります。昼食の時間があり、おやつ同様みんなで一緒に食べます。生活は普段と変わりませんが、朝からゆったりと生活できるので、活動や遊びにお楽しみのある子どもにとっては楽しい一日になります。 夏休みは勉強と昼寝(休息)はどこの学童保育室でもやります。夏ならではの活動も計画され、有意義な40日が過ごせると思います。 土曜日の学童保育は課題があります。子どもが少なく、遊ぶ相手がいなくてもてあます状況もあります。親が働いていても休む子が多いのは、土曜日ぐらい他の子と遊ばせたい、お弁当を作るのが面倒だ等理由があるようです。 |
職員担当 |
職員担当は子ども20名に1名が配置基準です。定員40名がほとんどですので、2名担当制で配置されています。最近は特定職員の担当を置かない学童保育室も出ているようです。オーバー対応をした場合や障害を持った子どもの入室に対して、常勤職員や、臨時職員が加配されています。 |